第1回のレジュメと動画(撮影協力:U PLANさん)

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2013年1月16日に開催した第1回の講座レジュメと動画を掲載します。
撮影協力:U PLAN様

講座レジュメ(テキスト)

★動画 (108分)

 

 

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第1回のレジュメ(テキストのみ)

【たんぽぽ舎学習会・エントロピー入門】(第1回) 記録用レジュメ (当日の配布資料に加筆)
 1章 地球複合循環の中の人間社会<前半>

2013年1月16日 講師 槌田 敦

【エントロピーとは何か】
 エントロピー増大の法則(活動の法則)
 物事は、エントロピー増大の方向に変化する
 熱拡散 高温の熱が低温空間に広がる
     電流の熱化、化学反応の熱化
 物拡散 塩が水に溶けて広がる
 エントロピーとは、物や熱の拡散の程度を示す物理量
 拡散量としてのエントロピーはけっして減少しない

【魔物エントロピーと魔物エネルギー(エムデン1938)】
 エントロピーは、変化の方向を示す司令官
 エネルギーは、変化の後、不変を示す会計係
 エントロピー増大には終点がある。そこで変化は停止
 物理エネルギーと経済のエネルギーは論理的に別物
 物理の量は保存則、経済の量は消費則、混乱状態

【資源はいずれ枯渇する】
 あらゆる物体は変質し、散らばる。石油も枯渇へ
 確認埋蔵量・可採年数は1950年、710億バレル、33年
 石油30年枯渇で原発推進。だが、1985年以後増加へ
 2011年には15232億バレル。使ったのに増えて58年
 確認埋蔵量の定義は、技術的経済的に採掘可能な量
 技術向上と欲しくなれば価格があがり、出てくる量
 資源問題はそれほど大きな問題ではない
 原発推進のための石油枯渇説消滅、CO2温暖化説登場

   年   確認埋蔵量    可採年数
   1950   710億バレル     33
   1960    2450       35
   1970    5740       38
   1980    6490       34
   1990    9990       45
   2011   15232       58

【処分場の枯渇という深刻な問題】
 資源を利用すれば、廃物と廃熱が生ずる
 社会のエントロピー水準はあがり、活動できなくなる
 経済学は、これまで資源の「枯渇」を問題にしていた
 しかし、廃棄物の過剰はどのように議論すればよいのか
 処分場の「枯渇」が問題と整理した(ガルブレイス)
 そこでリサイクルの推奨(ボールディング)
  エネルギーが投入できればリサイクルできると

【リサイクルでは解決しない】
 リサイクルできるのはガラクタ段階だけ(ジョージェスクレーゲン)
 四散すれば大量のエネルギーが必要
 なんでもリサイクルはあり得ない
 ところで、放射能はリサイクル不可(ウランに戻せない)
 科学技術でも対応できない原子力

【経済学者の絶望】
 経済学者の提言、持続可能な発展(成長)を
 だが、持続可能を保証する提言はなく、願望だけ
 結局、経済学者の対応策は、省資源だけ(ジョージェR)

【ただ猶予を願うだけか】
 一時的に再生しても、エント増大で無駄(ボールディ)
 だが、自然界はほとんどエントロピー増大してない
 地球の寿命45億年のうち30億年ほぼ定常状態を維持
 つまり、自然のとおりにすれば持続可能
 ではなぜ、自然は長期にわたって持続可能なのか

【新しい経済学を創る試み】
 最近の経済学は、強者のための儲けを図る経済学
 経済から排除された失業者、貧困者があふれている
 そこで、エントロピー論により新しい経済学をつくる

● 参考文献『弱者のためのエントロピー経済学』
 (価格1500円 ほたる出版 槌田敦・著)
—–
(動画掲載ページへのリンク http://wp.me/p32sMY-R

第2回の日程をお知らせします

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エントロピー入門 第2回 日程

日時  2013年2月13日(水) 18:30開場  19:00開会
会場  スペースたんぽぽ (千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル4F) 電話 03-3238-9035
講師  槌田敦さん | テーマ : 第1回のつづき「エンジンの法則という不思議」から
参加費  800円

★この講座には参加費特典があります。(3回目の参加費割引き)
当日受付でお渡ししたカードをお手元に保管しておいてください。なお、カードの再発行は致しません。

★受講希望のかたは、事前にテキストをお買い求めください。 (会場でも購入可、テキストなしでも受講可)
弱者のための 『エントロピー経済学』入門 /価格1500円/ほたる出版/槌田敦・著

「槌田ファン」の夢、と、「槌田ファン」の夢 その後(市川宏)

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槌田ゼミVol.2開講のきっかけになった、市川宏さんの投稿(エントロピー学会「談話室」)をご紹介します。

2011.11.17「槌田ファン」の夢(PDF)

2012.07.28「槌田ファン」の夢 その後(PDF)

なぜ原発がダメなのか – ある講座の紹介(市川宏)(1/18配信【TMM:No1720】より)

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(1/18配信【TMM:No1720】より)

なぜ原発がダメなのか--ある講座の紹介

市川宏 埼玉県在住

私はいわゆる「文系」の人間ですが、20年ちかく前から槌田敦さんのエントロピー論に魅せられ、「エントロピー学会」の会員になっています(学会誌を拾い読みする程度ですがが)。一昨年、この学会誌に「槌田エントロピー論を普通の人たちに紹介する講座を開くことはできないものか」という願望を投書しました。その結果がたんぽぽ舎の「エントロピー講座」です。以下、文系族ばかりの友人知人たちに講座への参加をよびかけた文です。こうして広く公開するのは躊躇われますが、興味をもつきっかけにしていただければ幸いです。

・-・-・-・-・-・

同封した文書のうちA・B[省略]は、私がはじめて学会誌というものに発表した記念すべき文です。学会の名は「エントロピー学会」、エントロピーというのは物理学の用語ですが(あとで触れます)、この学会はエントロピーの視点から環境や経済などもあつかう学会です。もちろん私の投稿は論文などではなく、一つの「夢」を述べた単純な投書でした。

ところがその「夢」が思いもかけぬ形で実現することになりました。同封のチラシの「槌田ゼミ・パートⅡ エントロピー入門」がそれです。講師はなんと槌田敦先生ご本人、私の投書がきっかけというのは望外の喜びですが、何となく責任のようなものを感じてしまい、こうして友人知人あての「宣伝活動」を思いついた次第です。

エントロピーについては後回しにして、左端貼り付けの[図Ⅰ 省略 『地球生態学で暮らそう』など所載、生命と物資の循環絵図です]をご覧ください。私が投書で「見つめていると、自分の過去現在未来の生々流転のすべてが、そこに位置づけられているようで、いうにいわれぬ安心感がうまれてくる……」と書いた、わが「愛してやまない図」がこれです。どこからでもよい。自分が鳥や魚になったつもりで、この図に入りこんでみてください。矢印は主な循環の流れを示していますが、個別の生命は数々の可能性を選びながら細かく分かれて進み、他の生命と絡み合い、さらなる循環につながって大きく広がって行きます。その中に身を投じる感覚、循環の大きな流れのなかで浮遊する感覚が「安心感」につながるのかもしれません。

この図には人の姿はありません(それが図に入り込みやすくさせています)。しかし人の活動のあとが見て取れます。──舟・水田・畑・里山・都市・糞尿……これらをよく見ると、どれもが自然の循環に加わり、それを推進する役にたっていることに気づきます。ここにはビルやクルマがありません。そう、これは江戸時代がモデル、世界に誇る「都市をふくんだ循環社会」の図です。べつな言い方をすると、ここには化石燃料由来のものが一切見当たりません。あるいはこれも安心感の由来でしょうか。もちろん江戸時代にもどるのは不可能です。しかし、何とかしてこのモデルと同質の循環を、この石油文明のなかで実現することができないものか。それが現代の課題です。

ところで循環のシンプルなモデルはエンジンです。エンジンは燃料という資源を得つつ活動をつづけ、いっぽうで排気ガス(廃物)と熱(廃熱)を棄てつづけます。一世紀以上前、エンジン(蒸気機関)の効率を上げるための研究が盛んでした。しかしエンジンの効率には、どうしても越えられぬ限界がありました。その原因を追求した結果、ドイツのクラウジスによって、いわば「効率を妨げる要素」が発見され、これに「エントロピー」という名前がつけられました。それは熱量(カロリー)を温度(絶対温度)で割った数値(Q/T)で示され、すべて物質の活動はエントロピーの増大をもたらすとされました。(一般に「エントロピーは増大する」として知られる熱学第二法則です。)エンジンはこの妨害要素=エントロピーを外部に棄てることによって、活動をつづけることができます。エンジンが出す廃物・廃熱は、じつは「物とエントロピー」「熱とエントロピー」であって、いわば「邪魔者とそれを乗せて追放する舟」でした。「物」や「熱」が舟の役割を果たしていたのです。

人は食物を食べ、動き、排泄します。これを上記の物理的観点から見れば、食物という資源を得て活動し、廃物と熱という舟に乗せてエントロピーを棄てています。つまり、人もまた「エンジン」です。さらに拡大すれば、すべて循環をくりかえすものはエンジンであり、地球上には小さなエンジン、大きなエンジンが互いに関係しあって動いています。右の図Ⅱ[地球の概念図]を見てください。この図では、気象・生態系・生命(人間社会)という三つの層が示されています。この三つの層の間にも循環があります。層のなかでの循環と重なって、全体としての複合循環がエンジンとしての地球の本質です。

この「総合エンジン地球」の燃料に相当するものが、地球に入力する太陽光です。これによって地球上の活動(諸循環)が行われます。そして「排気ガス」と「熱」に相当するものが「宇宙への放熱」です。注意すべきは地球から宇宙へ、エントロピーを乗せて棄てる舟は、「熱」だけだということです。「物」はロケットでも使わないかぎり、宇宙へ放出することはできません。では地球で発生した「廃物」は、たまっていくいくだけなのか。ここでクローズアップされるのが「土」です。

土は単なる鉱物の粒ではありません。そこには多くの微生物がふくまれ、その働きによって動植物の死骸が分解され養分となり、これによって生態系の循環がつづきます。この有機物の分解のさい(たとえば堆肥発酵のとき見られるように)必ず熱が発生します。こうして動植物の死骸という「物」に乗っていたエントロピーが「熱」に乗り移ります。そして熱に乗ったエントロピーが成層圏での放熱により、地球から追放されることになります。

エンジンはエントロピーがたまったとき不調となり、やがて停止します(ガス欠、オーバーヒート)。人という「エンジン」の病気も、それと同じくエントロピーがたまった状態と解釈できます。そして地球という「エンジン」でも、エントロピーがたまっていけばこれと同様な事態が起きることは免れません。現に循環に乗らない(土に返せない)廃物、あるいは宇宙への放熱能力を超えた過剰な熱の発生が、地球上の循環を狂わせ、気象・生態系・生命に脅威を与えているのが現実です。
この講座のテーマは、

複合循環とはどういうものか。
どうすれば循環を順調に動かして、エントロピーの収支を合わせていけるのか。
生態系の一員として、どんな社会的循環(=経済)を作っていけば役割を果たせるのか。

等々になると思われます。
ぜひ、できるならば直接足を運んで、またとない学習の機会を活かしていただきたいと思います。条件の整わぬ方は、ぜひテキストをお読みください。テキストの要所要所の図のコピーを作って余白に書き込んで行くのも良い方法かと思います。

以上、テキスト第一章「地球複合の中の人間社会」を予習してのレポートです。合格点は覚束ない代物ですが、興味を引く手がかりとなれば幸いです。

最後に、槌田さんの1976年の「核融合発電の限界と資源物理学」から結語の一節を──
心配なのは、安すぎる石油がまだ大量に残っている結果として、我々現代人がエネルギー麻薬患者になり切ってしまったことである。巨大エネルギーの生産ということであれば、放射能をまき散らしても許されるこの現実の人間社会、どのようにしたら、更新性資源に生きる社会へ作り変えることができるのか。……心ある物理研究者が子孫のために今なすべきことは、可能なかぎりの手段を用いて原子力発電や核融合発電などの諸計画に反対することである。
「原発はダメ」の本質を示した言葉であり、いま地球を生きる人間のあり方を指し示す言葉であると思うものです。

第1回の日程をお知らせします

(このページの短縮URL http://wp.me/p32sMY-d )

エントロピー入門 第1回 日程

日時  2013年1月16日(水) 18:30開場  19:00開会
会場  スペースたんぽぽ (千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル4F) 電話 03-3238-9035
講師  槌田敦さん  | テーマ : 地球複合環境の中の人間社会
参加費  800円

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◆開講にあたって(講座担当スタッフ)

エントロピー入門といっても、巷にあふれているような学問的なことの講座ではありません。
わたしたちは、この人類社会が持続可能でありたいと願っています。「限りある資源」を、上手に使うにはどうしたらよいのか。現代社会がかかえる問題を、エネルギーの流れ(循環)を見つめ直すところから始めてみませんか?

初回は、この講座でみなさんに何を学んで、そして考えていただきたいか、わたしたち(と社会)がかかえている問題の本質は何か、などをまじえた入門編にしたいと考えています。

核開発に反対してこられた槌田先生ならでは、福島原発事故後の追究と解析をすすめていらっしゃる槌田先生ならではの視点も、この講座の魅力的なところです。また、講座の資料を(開催後に)毎回掲載しますので、連続で受講できなくても流れをつかむことができます。

★この講座には参加費特典があります。(3回目の参加費割引き)

★受講希望のかたは、事前にテキストをお買い求めください。 (会場でも購入可、テキストなしでも受講可)
弱者のための 『エントロピー経済学』入門 /価格1500円/ほたる出版/槌田敦・著